メモリー高騰を背景にスマートフォン価格の上昇が続いている。ローエンドでもほぼ5万円のモデルが登場するなど市場環境は非常に厳しい。そうした状況下で既存のスマートフォンメーカー全てが生き残るとは考えにくく、2023年のような撤退ラッシュが再び起きる懸念がある。
基本性能を据え置き価格は高騰する新機種
米Apple(アップル)初の折り畳みスマートフォン「iPhone Duo」の価格が36万4800円(税込み、以下同)からと、非常に高額なことで話題となった。実際、円安の長期化とメモリー価格の大幅な上昇によって、スマートフォン全体の価格高騰は日増しに加速している印象だ。
その価格高騰にスマートフォンメーカーが苦しんでいる様子は、最近発表されたアップル以外の新製品からも見て取れる。メモリー不足の影響を特に強く受けるとされるのは、低価格を重視したミドルクラスやローエンドのモデルだ。メーカー各社はまさにこのクラスで、従来通りのコストパフォーマンスを出せなくなってきている。
それを象徴するのが、シャープが2026年9月に発売した「AQUOS wish6」だ。同社のローエンドの最新機種だが、そのスペックを見るとディスプレーは6.6インチ、チップセットは台湾MediaTek(メディアテック)製の「Dimensity 6300」、RAMは4GB、背面カメラは約5010万画素と、前機種「AQUOS wish5」と大きな違いはない。
それでいて、シャープ公式オンラインストアでのSIMフリー版の価格は4万9940円と、ローエンドモデルながら5万円に限りなく近い水準に達している。AQUOS wish5の発売時の価格は、同じストアで3万4980円だったので、約1年3カ月で1万5000円ほど値上がりしたことになる。
そうした傾向はシャープに限らない。ソニーが2026年10月8日の発売を予定しているミドルクラスのスマートフォン「Xperia 10 VIII」も、執筆時点で価格は公表されていない(編集部注:掲載時点のソニーストアでの価格は9万9000円)ものの、基本性能は前機種「Xperia 10 VII」とほぼ変わっていない。
その代わり、スピーカーの強化や、スマートフォン決済を利用しやすくする「Point & Payメニュー」の搭載など、基本性能以外で違いを打ち出そうと苦心している様子がうかがえる。

