Sapporo PRO Frontier Market
Sapporo PRO Frontier Market(さっぽろプロフロンティアマーケット)は、札幌証券取引所が開設する特定取引所金融商品市場(いわゆる「プロ投資家向け市場」)である。
概要
[編集]札幌証券取引所は、本則市場と新興企業向け市場であるアンビシャスの2つの市場で構成してきた。札幌証券取引所は2025年7月26日、3つ目の市場として一般市場への上場を目指している成長企業を対象とし、東京証券取引所が開設しているTOKYO PRO Market、福岡証券取引所が開設しているFukuoka PRO Marketに次ぐ特定取引所金融商品市場(いわゆる「プロ投資家向け市場」)の開設を検討していることを明らかにした[1]。
札幌証券取引所は2025年12月19日、新設する特定取引所金融商品市場の名称を「Sapporo PRO Frontier Market」に決定したと同時に、Sapporo PRO Frontier Marketを2026年春を目途に開設する事を発表した[2][3]。札幌証券取引所は2026年3月5日、Sapporo PRO Frontier Marketの開設日を2026年6月1日以降とすることを発表し[4][5]、同年5月20日に開設日を2026年6月30日とする事を発表した[6]。札幌証券取引所は、Sapporo PRO Frontier Marketの開設によって、スタートアップの支援やSapporo PRO Frontier Market上場企業の本則市場やアンビシャスへの将来的なステップアップを促したいとしている。
上場制度に関してはTOKYO PRO MarketやFukuoka PRO Marketとほぼ同一とする他、上場審査においてもTOKYO PRO MarketにおけるJ-AdviserやFukuoka PRO MarketにおけるF-Adviserと同様にS-Adviserが行う[7]。
なお、所定の条件に該当する場合、新規上場料から50万円差し引かれる。 ①上場時に資金調達を行う場合 ②取引所指定の事業領域から総売上の50%以上若しくは営業利益の50%以上を得ているとき、又は、直近1年間の総投資額のうち50%以上を当該事業領域に投じている場合(①と②の双方に該当する場合最大100万円が新規上場料から差し引かれる)
規則
[編集]制度上、この市場において直接買付けが可能な投資家は、金融商品取引法に定められた特定投資家に限定される。特定投資家とは、金融機関などの適格機関投資家、上場会社、資本金5億円以上の株式会社、外国法人に加え、証券会社に申し出をし認められた場合に取引ができる者として、一定の個人投資家、その他株式会社も含まれる。詳細は特定投資家を参照。
特定投資家に限定されることによって、企業情報の開示面(言語、会計基準)や新規上場基準の面などにおいて、一般投資家保護の観点から法律上の強い要請がある一般市場では実現困難な柔軟な規制体系が可能となった。また、新規上場を希望する企業の上場審査については、基本的に取引所は行わず、取引所が指定する指定アドバイザー(S-Adviser)が行い、基準の設定も同者が行う。
TOKYO PRO MarketやFukuoka PRO Marketとの重複上場は可能であるが、札幌証券取引所本則市場やアンビシャスなど、他の証券取引所の一般市場との重複上場は不可となっている。Sapporo PRO Frontier Marketから札幌証券取引所一般市場(本則市場・アンビシャス)や他の証券取引所の一般市場へ市場変更を行う場合は、札証や他の証券取引所に対して新規上場申請を行い、新規上場の承認を受けると同時に企業自らSapporo PRO Frontier Marketの上場廃止申請を行う。
なお、一定の要件(当該株券がSapporo PRO Frontier Marketに1年以上継続して上場されており、「アンビシャス」または「本則市場」への上場時に公募又は売出しが行われること)を満たすSapporo PRO Frontier Market上場会社が「アンビシャス」または「本則市場」へステップアップ上場をする際には、上場手数料を100万円減額する優遇措置が設けられている。
| 項目 | Sapporo PRO Frontier Market | 一般市場 |
|---|---|---|
| 開示言語 | 日本語又は日本語・英語双方の併記 | 日本語 |
| 上場基準 | 形式基準:なし 実質基準:あり |
形式基準:あり(株主数、流通株式等) 実質基準:あり |
| 審査主体 | S-Adviser | 主幹事証券会社、取引所 |
| 上場申請から上場承認までの期間 | 10営業日 (上場申請前にS-Adviserによる意向表明手続きあり) |
2、3か月程度(標準審査期間) |
| 上場前の監査期間 | 最近1年間 | 最近2年間 |
| 内部統制報告書 | 任意 | 必須 |
| 四半期開示 | 任意 | 必須 |
| 取引可能な投資家 | 特定投資家等(いわゆる「プロ投資家」) | 全ての投資家 |
| 他の証券取引所との重複上場 | TOKYO PRO Marketと Fukuoka PRO Marketのみ可能 |
各証券取引所で可能 |
| 他市場への市場変更 | 一般市場の上場承認を受けたと同時に Sapporo PRO Frontier Marketの上場廃止を申請 |
市場変更の申請後に 新規上場申請に準じた審査 |
上場企業
[編集]Sapporo PRO Frontier Marketに係る指定アドバイザー(S-Adviser)
[編集]7社(2026年6月現在)
S-Adviserの主な要件
[編集]- S-Adviser資格の取得の申請日から遡って2年間において、資本市場におけるコーポレート・ファイナンス助言業務に関する十分な経験があること、又は施行規則で定める場合に該当すること
- S-QSが3名以上いること(S-QSは、S-QS認定の申請日から遡って5年間において、資本市場におけるコーポーレート・ファイナンス助言業務に関する経験を通算して3年以上有している者であること。または、これと同等の経験を有すると認められる者)
- 経営の体制が適切であること
- 財務の状況が健全であって、かつ、当該財務の状況がウェブサイトに公表されていること
- 取引所と共にプリンシプルベースの考え方に基づきSapporo PRO Frontier Marketを運営するパートナーとしての意欲と能力を有していること
- 日本の資本市場での経験及び知見を有すること。
- 業務を公正かつ効率的に遂行できる体制を有する法人であること
- 第313条に規定する契約(S-Adviserと担当会社との間で、権利義務その他の施行規則で定める事項を規定した契約)を履行できる適切な体制を有していること
- 自社が業務を行う法域において、監督当局が存在する場合は、当該監督当局による監督に適切に服していること
- 札幌証券取引所の評価と秩序を毀損するおそれがないこと
- 反社会的勢力との関係を有しないこと
- その他札幌証券取引所が必要と認める要件を満たしていること
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ↑ 札幌証券取引所、新興企業のプロ向け新市場創設へ 2025年中にも日本経済新聞 2025年7月26日
- ↑ 札幌証券取引所、新興企業のプロ向け新市場 26年春にも創設日本経済新聞 2025年12月19日
- ↑ 札証がプロ投資家向け新市場「SPFM」開設へ 上場ハードル下げ、スタートアップ上場想定読売新聞 2025年12月20日
- ↑ Sapporo PRO Frontier Marketの創設について札幌証券取引所 2026年3月5日
- ↑ 札証のスタートアップ新市場、6月にも開設北海道新聞 2026年3月19日
- ↑ Sapporo PRO Frontier Market売買開始(市場開設)日の決定及び売買開始(市場開設)に伴う関連規則への追記について札幌証券取引所 2026年5月20日
- ↑ 札証、プロ市場への審査・助言担う「S-Adviser」の受け付け開始日本経済新聞 2026年3月19日