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ブラックストーン・グループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブラックストーン・グループ
The Blackstone Group
市場情報
略称 ブラックストーン
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク州ニューヨーク
設立 1985年(41年前) (1985)
業種 金融業
事業内容 プライベート・エクイティ・ファンド、プライベート・クレジットファンド、メザニン・ファンド、投資アドバイザリー、レバレッジド・ファイナンス他
代表者 会長・CEO スティーブン・シュワルツマン
売上高 減少 61億200万ドル(2020年第4四半期)[1]
純利益 減少 22億6200万ドル(2020年第4四半期)[1]
総資産 増加 26.269億ドル(2020年第4四半期)[1]
従業員数 増加 3,165人(2020年第4四半期)[2]
主要子会社 GSO Capital Partners
関係する人物 ピーター・ピーターソン(創業者)
スティーブン・シュワルツマン(創業者・会長)
重富隆介(日本法人会長)
坂本篤彦(企業投資部門代表)
外部リンク www.blackstone.com
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ブラックストーン・グループ(The Blackstone Group、NYSE: BX)は、アメリカ合衆国に本拠を置く大手の投資ファンド運用会社である[3]。

バイアウト・ファンドビジネスを中心に、オルタナティブ投資を主軸とする[4]。

プライベート・エクイティ投資を祖業とする投資ファンドであり、現在も多様なオルタナティブ投資を展開するファンドである。AUM(資産運用高)としては、プライベート・クレジット及びプライベート・エクイティが大半を占めている。

創業者のスティーブン・シュワルツマンはイェール大学卒業後、リーマンブラザーズの投資銀行責任者やハーバードビジネススクールMBAを取得し、ブラックストーンを起業。その後、M&Aアドバイザリーを中心に事業拡大し、PE投資をはじめとするオルタナティブ投資を展開する。

概要

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リーマン・ブラザーズを退職したピーター・G・ピーターソン(英語版)とスティーブン・シュワルツマンによって1985年に設立された。本社は、ニューヨークの51丁目パークアベニューのリバーハウスにあり、支社は、アトランタ、ボストン、ロンドン、ハンブルク、パリ、ムンバイ、香港、東京にある。最も大きな上場株投資会社の一つである。特に創業者の1人であるスティーブン・シュワルツマンは現在もブラックストーンの会長として経営に参画している。スティーブン氏は、イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネススクール(MBA)を修了し、リーマンブラザーズの投資銀行部門で責任者を務め、ブラックストーンを創業しており、ブルームバーグ創業者のマイケル・ブルームバーグと同じようにハーバードMBA卒業後に、ニューヨークのウォール街の投資銀行(ブルームバーグはソロモン・ブラザーズの共同経営者/パートナー)を経て、世界的な金融企業を創業したという点で類似している。

現在ブラックストーンのビジネスはバイアウト・ファンド(プライベート・エクイティ)だけにとどまらず、ヘッジファンド、プライベート・クレジットファンドを含む市場性 オルタナティブ投資ファンド部門、財務アドバイザリー部門の4つのセグメントからなっており、運用資産1191億1500万ドル(2010年現在)に及ぶ総合 オルタナティブ投資会社となっている。

2007年の上場時には中国投資有限責任公司が30億ドル相当の非議決権株式を取得した[5]。ブラックストーンが保有する資産には、軍事・衛星技術関連の会社が含まれると指摘され、この技術が中華人民共和国政府に渡らないように米政府は懸念している。

CEOのスティーブン・シュワルツマンの個人資産は2020年には、210億ドル(約2兆1700億円)となった[6]。

創業者でCEOのスティーブ・シュワルツマンは中華人民共和国の清華大学に3億ドルを寄付して経済管理学院顧問委員会に名を連ねて自らの名のついたカレッジも設立している親中家であり[7][8][9]、シュワルツマンはドナルド・トランプ米大統領の古くからの友人で顧問でもあり[10]、大統領戦略政策フォーラム議長に選ばれるなど米政府の対中外交に一定の影響力を有している[11][12]。

名前の類似する資産運用会社ブラックロックはブラックストーンの債券運用部門として設立されたが、1995年に売却されている。

ブラックストーンの社風は競合他社のKKRやアポロ・マネジメント、カーライルと比較して、米国資本主義的であり、同業他社よりも相対的に従業員間での競争は激しい。ブラックストーンの入社試験もレジュメ・インタビューだけでなく、財務モデリングやバリュエーション、投資テーシスの策定といったテクニカルスキルも評価の対象である。基本的に現在のニューヨーク金融界では、シタデルのようなヘッジファンドと同じように、新卒ではなく金融機関で経験を積んだキャリア人財が、中途で門を叩く傾向であり、新卒からPEファンドに入社する事は不可能である。

実際に各社出身業界はJPモルガンやゴールドマンサックスといった米国のラージキャップの投資銀行のインベストメントバンキング部門でM&A経験を積んだ人財や、マッキンゼー、ベインといった戦略コンサルで企業再生・経営コンサルに携わってきた人財のみである。また、基本的にMBAは保有しており、ブラックストーンに関しては8割がハーバード・ビジネススクール出身者で占められており、残りの1割がファイナンススクールとして有名なペンシルベニア大学ウォートンスクール出身者で、その他1割にシカゴ・ブース、コロンビア、スタンフォード、MITスローン出身者がいる。(一方で、KKRはより金融色が強くウォートン5割、ハーバード3割、シカゴ・ブース1割、コロンビア0.5割でその他0.5割を他MBA出身者で占められている。)ブラックストーンに関しては、ハーバードMBA出身者が大半であり、社内ではそこまで学閥色は強くないが、ハーバード前提の文化形成がされている。現在の日本法人の企業投資部門責任者の坂本篤彦氏もイェール大学卒業・ハーバードMBA修了者であり、上席に上がる一定の条件としてMBA取得は必須である。

ブラックストーンの部門としては大きく4つのセクターに分けられており、本業で最も人数が多いプライベート・エクイティ部門に関しては、バイアウト投資ステージを担当するPE部門、グロース投資ステージを担当するグロース投資部門、その他テクノロジーやライフサイエンスに関しては、専門性が高いので、別途専門部門が設けられている。

ポジションとしては、経営陣(パートナー)、シニアマネージングディレクター、マネージングディレクター、バイスプレジデント、シニアアソシエイト、アソシエイトといった職階である。このうち、パートナーは共同経営者としてブラックストーンの株式を保有して経営に責任を持つ。部門長や各国の法人責任者クラスはシニアマネージングディレクターであり、日本法人会長の重富氏や企業投資部門の坂本氏もこちらの役職に該当する。

投資

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ブラックストーンの名称は、創設者の姓の一部から来る。スティーブ・シュワルツマンのSchwarzは、ドイツ語で「黒」(ブラック)、ピーター・G・ピーターソンのPeterはギリシャ語で「石」(ストーン)を意味し、ここから名付けられた[13]。創業者のスティーブ・シュワルツマンはリーマンブラザーズの投資銀行部門の責任者を務め、その後、PEファンドであるブラックストーンを創業。創業メンバーではないが、ブラックストーン創業期にブラックロック創業者が在籍しており、ブラックストーンとブラックロックは株式関係上兄弟関係ではないが、兄弟会社のように見なされるケースも多い。

主にプライベート・クレジット投資のAUM割合が最も多く、その次に祖業であるプライベート・エクイティがランクインする。投資手法としては、いわゆるエクイティ投資(企業へのPE投資、インフラ投資、不動産投資)とそのエクイティ投資先の投資プロジェクトのデット枠へのダイレクト・レンディングによるクレジット投資が基本的なスキームである。元々、プライベート・エクイティ投資とプライベートクレジット投資は別案件で投資を行っていたが、ブラックストーンが投資するPE投資先にデットとして貸し付ける事で、投資プロジェクトのコントロールをしながら、自社がイニシアチブを持ってクレジット投資のモニタリング・コントロールが可能という事で、エクイティ+クレジット投資のスキームを各プロジェクトで採用して、現在は投資案件に過半がこのスキームを採用している。

AUM割合が最も多いプライベート・クレジットであるが、こちらは元々信用格付けが低い企業やプライベート・エクイティ投資先企業に高金利で貸し付けて満期返済までクレジットを保有する事で、年2回のインカムゲイン(金利)と満期償還額で儲けるといった手法であり、高利子で信用度の低い借入法人に貸し付ける点では、消費者金融やノンバンクと本質的には同じである。

2022年6月、再生可能エネルギー分野における関心を示し、アメリカのエネルギー企業Invenergy Renewablesの一部株式を43億ドルで取得[14]。

2022年11月、オーストラリアのカジノ運営大手Crown Resortsを約100億ドルで買収。これはアジア太平洋地域での大規模な投資だった[15]。

2024年6月、同月19日から同年7月31日までの間、日本で電子書籍配信サービス「めちゃコミック」などを手がけているインフォコムに対して完全子会社化を目的とした株式公開買付け(TOB)を実施。買収総額は2756億円を予定しており、同国内では過去最大の企業買収となる[16][17]。

2025年5月、Googleと米国におけるデータセンター・電力インフラに関する特別目的会社を設立。近年はインフラ投資を強化しており、主にグーグルが運営するデータセンターの建設への資金提供や電力インフラの整備に関するノウハウ提供を行う。

日本法人

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ブラックストーンの日本法人は、東京都千代田区の丸の内ビルに拠点を構える。現在はプライベート・エクイティ、プライベートクレジット、インフラ、データセンター、グロース投資の各投資部門が存在する。会長は日本興業銀行・モルガンスタンレー日本法人の投資銀行部門責任者で、現在パナソニックホールディングスの社外取締役を務める重富隆介氏、企業投資部門代表はリップルウッドやベイン・キャピタルでPE投資に携わった坂本篤彦氏が務める。PE投資業界については、テクノロジーやヘルスケアといったセクターが中心で、国内PE業界でプレゼンスの高いベイン・キャピタルと比較すると、グローバルでの投資基準・原則に沿って投資活動を展開する。

<投資先企業>

2019年4月:あゆみ製薬(~2026年7月:7年3カ月)

2021年3月:アリナミン製薬(~2024年7月:3年4カ月)

2024年1月:ソニーペイメントサービス(投資中)

2024年7月:インフォコム(~2025年7月:1年)

2025年3月:アイロムグループ(投資中)

2025年10月:テクノプロHD(投資中)

現在、日本ではインフラ投資ファンドの活動を強化しており、投資対象としては、データセンターや電力インフラが上げられる。とソフトバンクグループやKKR、ブラックロックといった投資会社と連携して、東日本に送配電網を保有する東京電力への出資検討がされている。日本法人の対象セクターとしては、テクノロジー、ヘルスケアの2セクターであり、ベインキャピタルやKKRと異なり投資セクターのバリエーションは低いが、グローバルで共通した投資プリンシプルに則って、PE投資を展開している。


▪重富隆介氏(日本法人会長)

TMT(通信・メディア・テクノロジー)分野の投資銀行業務、大型ファイナンス、M&Aを担当。モルガン・スタンレー時代に約22年間にわたり大型ファイナンスやM&Aの遂行を支援。

  • 1961年10月10日生まれ
  • 1984年 東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)に入行。審査部、ニューヨーク支店のプロジェクトファイナンス部門などを経験。
  • 2000年 モルガン・スタンレー証券に入社。
  • 2005年 同社の投資銀行本部で、テレコム・メディア・テクノロジー(TMT)分野のバンキング・グループ総括責任者に就任。
  • 2016年 Morgan Stanley & Co. LLCのGlobal Investment Banking Division, Vice Chairmanに就任。
  • 2016年 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の常務執行役員・テレコム・メディア・テクノロジー・グループ長に就任。
  • 2021年11月 ブラックストーン・グループ・ジャパン代表取締役会長に就任(現在も在任)。
  • 2024年6月 パナソニック ホールディングス社外取締役に就任。現在も社外取締役を務めています。
  • また、インフキュリオンの社外取締役も務めています。


▪坂本篤彦氏(PE投資部門代表)

  • 1974年生まれ
  • 1998年 イェール大学卒業後、ニューヨークのJPモルガン証券の投資銀行部門へ入社。                    その後、東京のゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門とマーチャント・バンキング部門でM&Aアドバイザリー・自己勘定投資業務に従事。
  • 2005年 ハーバード・ビジネススクール(MBA)修了
  • 2005年 リップルウッド 日本法人(PEファンド)入社
  • 2008年 ベイン・キャピタル日本法人 入社
  • 2018年 ブラックストーン日本法人 入社(PE投資部門代表・シニアマネージングディレクター)

ニューヨークや東京で投資銀行業務の多様な経験を保有する。重富氏と同じく、TMT(通信・メディア・テクノロジー)分野の投資銀行業務やPE投資業務に強みを持つ。ソニー元社長の平井一夫氏が卒業したアメリカンスクールイン東京のボードメンバーを務める。


関連項目

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脚注

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  1. 1 2 3 “Blackstone's Fourth Quarter and Full Year 2020 Earnings”. Blackstone. 2021年6月6日閲覧。
  2. ↑ “Blackstone Group Inc/The: Number of Employees 2007-2020”. Macro Trends. 2021年1月22日閲覧。
  3. ↑ “2024 PEI 300 by Private Equity International - Infogram” (英語). infogram.com. 2025年7月22日閲覧。
  4. ↑ “Blackstone | Company Profile” (英語). Vault. 2023年12月14日閲覧。
  5. ↑ “China to Buy $3 Billion Stake in Blackstone”. ニューヨーク・タイムズ. 2007年5月20日. 2017年6月2日閲覧.
  6. ↑ “慈善活動ギビング・プレッジ、今年はビリオネア7人が新たに誓約”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2020年12月24日). 2021年7月24日閲覧。
  7. ↑ “習主席の母校が担う対トランプ工作  編集委員 中沢克二”. 日本経済新聞. 2017年2月1日. 2017年4月22日閲覧.
  8. ↑ “中国の大学に奨学金、海外の「知中派」育成に注力―中国紙”. Record China. 2013年5月4日. 2017年3月13日閲覧.
  9. ↑ “習主席、清華大学シュワルツマン学院の開学式に祝電”. 中国国際放送局. 2016年9月11日. 2017年3月13日閲覧.
  10. ↑ “Trump reviews top White House staff after tumultuous start”. 2017年5月9日閲覧。
  11. ↑ “経済助言、著名経営者から トランプ氏が新組織”. 日本経済新聞 (2016年12月3日). 2017年5月9日閲覧。
  12. ↑ “トランプ大統領が中国批判緩める公算大-経済顧問のシュワルツマン氏”. ブルームバーグ. 2017年3月13日. 2017年3月13日閲覧.
  13. ↑ “How Stephen Schwarzman Built The Blackstone Group” (英語). Investopedia. 2023年12月7日閲覧。
  14. ↑ “Invenergy | Innovators building a sustainable world” (英語). invenergy.com. 2023年12月7日閲覧。
  15. ↑ “Blackstone completes acquisition of Crown Resorts in the firm’s largest investment to date in Asia” (英語). Blackstone (2022年6月24日). 2023年12月6日閲覧。
  16. ↑ Ishiguro, Rie (2024年6月18日). “ブラックストーンが日本で過去最大の買収、「めちゃコミ」のインフォコム”. ロイター通信. 2024年6月19日閲覧.
  17. ↑ “帝人、「めちゃコミ」運営の子会社を米投資ファンドに売却…急成長したものの相乗効果見いだせず”. 読売新聞 (2024年6月18日). 2024年6月19日閲覧。

外部リンク

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